Matteとは

表面の質感が魅力のマット仕上げ

宝石や貴金属を彩る表面の仕上げは、その輝きや雰囲気を大きく左右する要素の一つです。数ある仕上げの中でも、近年人気が高まっているのが艶を抑えたマット仕上げです。鏡のように光を反射する鏡面仕上げとは対照的に、マット仕上げは光沢を抑え、落ち着いた柔らかな光を放ちます。
この落ち着いた雰囲気が、近年人気を集めている理由の一つです。華やかすぎるものが苦手な方や、普段使いしやすいジュエリーを探している方にとって、マット仕上げは魅力的な選択肢と言えるでしょう。
マット仕上げの魅力は、落ち着いた雰囲気だけではありません。もう一つの大きな魅力は、素材そのものの質感を楽しめる点にあります。表面の微細な凹凸が光を乱反射させることで、深みのある独特の風合いが生まれます。
指輪やペンダント、ピアスなど、マット仕上げは様々なジュエリーに採用されています。シンプルなデザインのジュエリーに施すことで、上品で個性的な輝きを放ちます。また、アンティーク調のデザインとの相性も良く、落ち着いた雰囲気と相まって、より一層魅力を引き立てます。

マット仕上げの２つの手法

– マット仕上げの二つの手法宝石や金属の表面に落ち着いた上品さを与えるマット仕上げ。この美しい仕上がりを実現するには、大きく分けて二つの方法があります。一つ目は、薬品を用いて表面を化学的に処理する方法です。薬品を使うことで、表面を溶解させたり、微細な凹凸を形成したりすることで、光の反射を抑え、しっとりとしたマットな質感に仕上げます。この方法は、繊細なジュエリーやアクセサリーによく用いられ、均一で滑らかな質感を生み出すのが特徴です。二つ目は、研磨剤を使って表面を物理的に研磨する方法です。この方法は、サンドブラストやビーズブラストと呼ばれることもあり、研磨剤の種類や粗さを調整することで、様々な風合いのマット仕上げを作り出すことができます。例えば、粗い研磨剤を用いると、光沢を抑えつつも、力強い印象を与えることができます。一方、細かい研磨剤を用いると、滑らかで落ち着いた雰囲気のマット仕上げになります。このように、マット仕上げには、それぞれに異なる特徴を持つ二つの方法があります。どちらの方法を選ぶかは、素材やデザイン、そして求める仕上がりのイメージによって決定されます。

別名：ブラッシュ仕上げやサテン仕上げ

光沢を抑えた落ち着いた雰囲気のマット仕上げは、その見た目や手触りから、ブラッシュ仕上げやサテン仕上げといった別名で呼ばれることがあります。呼び方が違うと、同じマット仕上げでも異なる印象を受けるかもしれません。それぞれの仕上げの特徴を理解し、素材や用途に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。

ブラッシュ仕上げは、金属の表面に細かい線状の模様を施した仕上げ方法です。この模様は、まるで髪の毛のように細く、一方向に揃っていることから、ヘアライン仕上げとも呼ばれます。ブラッシュ仕上げは、ステンレスやアルミニウムなどの金属によく用いられ、光を反射しすぎることなく、落ち着いた上品な印象を与えます。そのため、高級腕時計や家電製品など、洗練されたデザインを求められる製品に多く採用されています。

一方、サテン仕上げは、布地の絹織物のように、滑らかで柔らかな光沢が特徴です。金属の表面を細かく研磨することで、光沢を抑えつつも、上品な輝きを表現します。サテン仕上げは、金や銀などの貴金属、アクセサリー、宝飾品などによく用いられ、高級感と優美さを演出します。

ブラッシュ仕上げとサテン仕上げは、どちらもマットな質感でありながら、それぞれ異なる表情を持っています。素材や製品の用途に合わせて、これらの仕上げ方法を使い分けることで、より洗練されたデザインを実現することができます。

様々な金属に適用可能

指輪の表面を細かい粒子で研磨することで、光沢を抑えた落ち着いた雰囲気に仕上げるマット加工。金やプラチナ、シルバーといった様々な金属にこの加工を施すことができます。とりわけ、男性用指輪では人気が高く、その理由は渋みのある輝きと重厚感が魅力だからでしょう。

光り輝く鏡面仕上げと異なり、マット仕上げは表面に細かい凹凸があるため、光が乱反射します。そのため、ギラギラとした輝きを抑え、落ち着いた上品な印象を与えます。また、光の反射が抑えられることで、金属本来の質感が際立ちます。

例えば、プラチナなら、その白く美しい輝きを保ちつつも、落ち着いた印象を与えられます。一方、ゴールドなら、華やかさは控えつつも、温かみのある風合いを楽しむことができるでしょう。

このように、マット仕上げは素材が本来持つ魅力を引き出しつつ、個性的な輝きを与えてくれます。ジュエリーのデザインや表現の幅を広げてくれる技法と言えるでしょう。